初めまして。奈良都民と申します。
東京に住みながら奈良の町への愛着を形にする制作を続けております。
暑い季節のお供としてだいぶポピュラーとなった手ぬぐい。
素朴な味わいの生地にパキッとした染めが見た目にも楽しいアイテムです。そんな手ぬぐいに個人的な愛着・思い入れ・偏愛を描き込みまくった一品のご紹介。奈良の地図柄の手ぬぐいです。
近鉄奈良駅より北に伸びる「きたまち」エリアの商店街や町中、大仏さまを始めとした東に広がる東大寺の印象的なスポットを奈良都民オリジナルキャラクター「ちいさいひとたち」がうろちょろする様をイラストマップにして、細長い手ぬぐいいっぱいに若草山の緑色で描いております。
・・・で、なぜ、奈良かというと。
私は東京出身で今も東京在住、奈良とは縁もゆかりもなかったのですが、奈良だけで販売されるお茶のパッケージのデザインコンペが9年前にありまして、私のデザインを採用していただけたことをきっかけに、2〜3ヶ月に1度の奈良通いを始めました。
奈良では作家の友人たちとグループ展に参加したり、町の地図を作ったり、その流れでみんなで飲んだりして過ごす数日間。
その結果住んでいないのに奈良の商店街に妙に詳しくなり、「もう住んでるんちゃうん?」と奈良の人たちに言われ、見事「奈良都民」のあだ名を賜ったのでペンネームとして使うほどに。
制作を通じて得た友達と奈良のお店で過ごす時間は本当に充実してとても楽しくて、その気持ちがそのまま奈良の町への愛着となって積もっていきました。町への思い入れを何か形にして表現したいと思いデザインを続ける日々です。
特に足繁く通う近鉄奈良駅界隈は、ちょっと歩くだけでも大好きなスポット満載のエリアです。
グループ展でたびたびご厄介になっているギャラリー周辺はおいしいご飯屋さん、読書もできるカレー屋さん、かわいいロシア雑貨のお店などなど個性豊かで通いたくなるお店がいっぱい!
滞在中にいつもお世話になっているゲストハウスも大好きな場所。
共有スペースのこたつでいつも和んでおります。
古都 奈良ですから史跡にも事欠きません。
東大寺といえば大仏さまですが、「修二会(お水取り)」で名高い二月堂というお堂は高台にあるので、灯籠越しに望む奈良の町の風景が本当に綺麗です。
これまでにも私自身の奈良への思い入れをオリジナルキャラクターを使ったイラストマップで形にしてきましたが汗ばむ季節に心強い手ぬぐいとして持ち歩けたら楽しいだろうと考え、制作しました。
とても個人的な偏愛ではあるけれど、言葉ではなく絵にすることで町の楽しさを匂いのように誰かに伝えられるのでは、と思っています。
なにせ私はよそ者なので、知っているのは現在の奈良の町だけ。
10年・20年前といった一昔前の「懐かしい」町の姿はわかりません。
なので、今の私が感じる町の息遣い・私が心惹かれる町の表情を小さなキャラクターに託してひたすら描いております。
私の愛着詰め合わせを見たり手にしたりすることで
「折を見て奈良に行ってみようかな」でもいいし
「僕も好きな町を探してみようかな」とか
「私が住んでいる町をじっくり歩いてみようかな」でもいい。
もしかしたら故郷のほろ苦い思い出が蘇るかもしれない。
人それぞれだろうけど、何か町への思いが「ほわん」と沸けば作者としてとっても嬉しいなぁと思っております。